借金救済制度は怪しい?条件はある?債務整理の手続きのメリット・デメリット

2023.10.30
借金救済制度は怪しい?条件はある?債務整理の手続きのメリット・デメリット

現在借金に悩まされていませんか?払いきれない借金をかかえており、いくら返しても中々減らない借金や日々の催促に悩んではいないですか?

そんな方達は借金救済制度をご活用を検討してみてください。

えっ?借金って救済してもらえる制度があるの?それって怪くないの?と思われる方もいらっしゃるかと思います。

「借金が減る、借金がゼロになる。そんな都合がいい話は怪しい話に決まってる」そう思うのも無理はありません。でも制度を詳しく知らずに怪しいからやらないと決めつけてしまうと、解決できるはずの借金問題を解決できなくなってしまう可能性があります。

この記事では借金救済制度の特徴やメリット・デメリットを解説します。まずは借金救済制度の中身を知り、それから自分に合った制度を活用し借金に悩まされる日々から解放されましょう。

とくに次のようなお悩みがある方はぜひ参考にしてくださいね。

  • 借金救済制度ってなんだか怪しい…本当に信頼できる?
  • 借金がやばくて困ってる、借金救済制度の利用って費用はかかる?
  • 念のために借金救済制度のデメリットを確認しておきたい

それでは詳しくご紹介します。

借金救済制度とは?借金減額をするための手続きのメリット・デメリットを紹介

借金救済処置とは国が認めている制度のことで、借金で困っている人たちの負担を減らしたり借金をゼロにしたりして救済するための制度です。

一般的に「過払い請求権」や「債務整理」のことをさします。

借金救済制度を使うことによって以下のメリットがあります。

  • 払いすぎていた利息が戻ってきた
  • 月々の返済に苦しんでいたが、毎月の負担が軽くなり精神的にも余裕ができた
  • 借金がゼロになり新しい生活をスタートすることができた

しかし借金制度を使うことによってのデメリットもあります。

  • ブラックリストにのってしまった
  • 新しくクレジットカードの発行ができなくなった
  • ローンが組めなくなってしまった
  • マイホームや車を手放すことになった

借金救済制度のどの制度を使うかでメリット・デメリットも変わってきます。それぞれの制度をよく理解し、自分に適した方法で借金を返していきましょう。

過払い金返還請求とは?特徴・条件・メリット・デメリット

過払い請求権とは一言で言うと、払い過ぎた利息を賃金業者から返金してもらうことです。

この制度は賃金業者に利息制限法を超える利息を支払っていた場合に使える制度で、利息制限法を超えた分の利息の返金を求めることができます。

これは2010年6月以前の法律に曖昧なところがあり、賃金業者がグレーゾーンの金
利でお金を貸していたことが原因です。

2010年6月18日の法律改正により現在は利息制限を超えてお金を貸している賃金業者は基本的にはありません。

過払い請求権を行うにあたっては以下の条件があります。

  • 賃金業者が倒産していないこと
  • 最後に返済した時から10年経っていない人

過払い請求には時効があります。最後の返済をした時から10年以上経過していると過払い請求ができなくなるため注意しましょう。

【メリット】

  • 払いすぎたお金がもどってくる
  • 月々の借金返済額が減る
過払い請求をした時のメリットはお金が返ってくることです。借金返済中の方は月々の返済額を見直すことができ、返済額を減らすことができます。

とても大きなメリットなので自分が利息制限法を超える利息を払っている場合は直ぐに利用しましょう。

少しでも過払いしている気がする人は直ぐに確認してください。

【デメリット】

  • 借金が完済できない場合は、ブラックリストにのる
  • クレジットカードを新規発行できなくなる
  • ローンを組めなくなる
  • 過払い請求行った賃金業者からの借入ができなくなる(社内ブラック)

借金を返済中に過払い請求を行うと、ブラックリストに名前が登録される恐れがあります。過払い金で完済できれば大丈夫ですが、過払い金があってもまだ借金が残ってしまう場合です。

しかし既に借金の返済が完了している人であれば、ブラックリストにのることはないので安心して過払い請求をしてください。

ブラックリストにのってしまうと、クレジットカードが作れなかったり、ローンが組めなくなったりしてしまいます。

あと、過払い請求をしたらその賃金業者からの借入はできなくなると思ってください。なぜなら賃金業者は過払い請求をされると、その人を社内的なブラックリストに登録する傾向があるからです。

社内ブラックリストでも、登録されると信用されなくなるので同じ賃金業者からは借入できなくなると思って過払い請求を行ってください。

債務整理とは?主に任意整理、個人再生、自己破産の3つ手続きがある!それぞれのメリット・デメリット

債務整理とは借金に悩んでいる人が、返済額を安くしたりゼロにしたりして借金の負担を軽くすることです。

債務整理には主に以下の3つの分類があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 個人破産

3つの手続きに共通するメリットは、「借金減額」、そして共通するデメリットは「ブラックリスト」への登録です。

それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説していきます。

任意整理の特徴や条件、メリット・デメリットは?

任意整理とは賃金業者と話し合い、月々の返済額を減らしたり、利息を安くする等の交渉を行い借金返済の負担を軽くすることです。

任意整理は裁判所を通さずに、直接賃金業者等と交渉をして借金返済の負担を減らします。

自分で交渉することも可能ですが、中々交渉が進まなかったり、うまいように説得されて思うような任意整理ができなかったりするので、司法書士や弁護士といった専門家に依頼して交渉するのが一般的です。

任意整理は借金の「金利部分」を減額する債務整理です。元金部分は全額返金しなければなりません。任意整理では3年~5年で返済が完了するように交渉を進めていきます。

任意整理をするためには以下の条件があります。

  • 安定した収入があること
  • 収入で十分に借金返済が可能であること
  • 賃金業者が任意整理を受け入れてくれること

任意整理は3年~5年で返済完了するように交渉を進めていきます。しかし「借入金に対して収入が低い」・「安定した収入がない」等の経済的理由で、3年~5年で返済完了する見込みがないと任意整理ができません。

そうなった場合は任意整理よりも借金がより多く減らせる【個人再生】や【自己破産】で債務整理を行うことになります。

【任意整理のメリット】

  • 支払う金利の負担が少なくなる
  • 他の債務整理と比べて手間が少ない
  • マイホームや車を手放さなくても良い

金利部分を減額することによって、月々の支払いが少なくなります。返済期間も3年~5年の間で計画を立てて返済するので、月々のお金の管理もしやすくなります。

また他の債務整理と比べて任意整理は裁判所を通さず、あくまで個人間のやり取りなので手間が少なくすみます。専門家に依頼してしまえば交渉の手続きも任せてしまえます。

【任意整理のデメリット】

  • ブラックリストにのってしまう
  • 他の債務整理と比べて借金の減額が小さい

任意整理をするとブラックリストにのってしまいます。ブラックリストにのるとクレジットカードの使用やローンを組めなくなります。

また任意整理は金利部分は減額されますが、元金部分は全額返済しなければなりません。

借金の額が多く、とても今の収入では返しきれないと言う方にとっては任意整理での借金減額はあまり手助けにならない可能性が高いでしょう。

個人再生の特徴や条件、メリット・デメリットは?

個人再生とは裁判所を通して月々の返済額を減らすこと。任意整理より借金減額幅は大きいです。

個人再生は元金部分も減額されるため、任意整理よりも大幅に借金の返済額を減らすことができます。

個人再生では5分の1~10分の1まで借金を減額でき、3年~5年の間に返済が完了するようにします。

裁判所を通すので手続きの手間は増えますが、任意整理と比べて借金を大幅に減らせます。また自己破産と異なる点で、マイホームや車等の財産を手放さなくても良いため、資産を手放したくない人にとっては嬉しい特徴です。

個人再生を行うには以下の条件があります。

  • 安定した収入があること
  • 借金の総額が5,000万円以下(住宅ローンは除く)であること

任意整理と少し似ていますが、個人再生も借金返済が見込めないと利用することができません。借金の総額が5,000万円という条件はありますが住宅ローンは含みません。これはマイホームを買って現在ローンを返済中で家を手放したくない人にとってはありがたいですね。

【個人再生のメリット】

  • 借金を大幅に少なくできる(5分の1程度に圧縮可能)
  • マイホームや車などの資産を処分しなくてすむ

個人再生は任意整理とは違い、元金部分も減額されるため大幅に借金を減らすことができます。

また自己破産とは違い、マイホームや車等の資産を処分しなくてすみます。住宅ローンの返済中でも、住宅ローンン特則を使えば、ローンの返済を続けることでそのまま家に住み続けることができます。

【個人再生のデメリット】

  • ブラックリストにのってしまう
  • 借金がゼロになる訳ではない
  • 手間がかかる

任意整理の時でも解説しましたがブラックリストにのってしまうとクレジットカードの作成やローンを組むことができなくなってしまいます。

また個人再生は大幅に借金を減らすことはできますが自己破産とは違い、借金をゼロにすることはできません

自己破産の特徴や条件、メリット・デメリット

自己破産は裁判所を通して借金をゼロにしてもらうことです。自己破産を行うとマイホームや車等の高額な財産等は手放さないといけません。

自己破産は裁判所に返済能力がないことを認めてもらい、借金をゼロにするものです。

自己破産をすると手元に何も残らないというイメージを持たれている方もいますが、現金は99万円以下、財産は20万円以下等の生活に必要最低限のものは没収されなくてすみます。

自己破産するには以下の条件があります。

  • 支払い能力がないと裁判所に認められること
  • 非免責債権以外の借金があること
  • 借金をした理由が免責不許可事由に該当しないこと

非免責債権とは自己破産しても払う義務が残る借金のことです。例として税金や養育費、罰金などがあります。このような非免責債権だけでは自己破産を行うことはできません。

免責不許可事由とは自己破産による借金の免除が認められないケースで、これにあたると自己破産することができません。

例としてギャンブル等の浪費での借金だったり、裁判所にたいして虚偽の説明をしたり過去7年以内に自己破産していた場合も免責不許可事由にあたります。

【自己破産のメリット】

  • 借金がゼロになる
  • 最低限の財産は手元に残せる

自己破産の最大のメリットは借金がゼロになることです。借金がゼロになることで新しい生活を始めることができます。

また最低限の財産は残るので、自己破産直後に食べるのに困ることもないでしょう。

【自己破産のデメリット】

  • ブラックリストにのってしまう
  • マイホームや車等の資産を手放さないといけない
  • 免除されない借金もある

任意整理、個人再生と同じように自己破産するとブラックリストにのってしまいます。そのためクレジットやローンの活用ができなくなります。

個人再生と異なる点で自己破産をしたら一定以上の資産は手放さなければなりません。また、自己破産をしても免除されない借金もあることに注意しておきましょう。

借金救済制度は法的手段!なので怪しくない

借金救済制度は、国が認めた借金救済制度です。制度についてしっかりと理解すれば、決して怪しい方法ではないことがわかります。

「借金が減る、ゼロになるなんて怪しいからやらない」と決めつけるのではなく、借金で苦しんでいる方の大きな助けになる制度が自分の借金でも使えるかどうかについて、ちゃんと調べることが大切です。

借金救済制度は、メリットもあればそれぞれのデメリットもあります。メリット・デメリット両方を理解した上で制度を活用することが大切です。

周りの目が気になったり、債務整理をするなんて自分はクズなのでは?と思い、ためらう人もいるようですが、国が認めた制度なので、自分の借金問題解決のための方法として検討してみてはいかがでしょうか。